●ムクゲ(フヨウ科)
夏も終わりに近づいてきますと、庭の花もめっきり少なくなってきます。その中でムクゲは清楚な花姿を見せてくれます。花を花瓶にいけるとすぐ、しおれるようです。
インターネットで調べますと、ムクゲはインド・中国原産の落葉樹で、乾燥にも強く、荒れ地にも耐えるので庭木の他、道路路側帯などにも植栽されているとありました。
初夏から秋まで花期は長く、1つの花は1日しか開花しないが、次々と開花するので、花が絶えることはない。淡い紫色のものが多いが、白花や八重咲きなどの品種が作出されているそうです。
【庭から切り取ったムクゲ】
●9月30(土)野鳥の会
野鳥の会の相談日でしたので、これまで撮った野鳥名が分からない写真を持参して教えてもらいました。1枚だけ判明しませんでしたが、ヒヨドリ、スズメ(他の鳥と思っていましたのでショックでした)、トンビ、ヤマガラは分かりました。
●9月29(金)秋の便り
友人の堀氏から秋の第二便(コスモス、白の彼岸花)が届きました。
堀氏のコメントです。「蝶を入れると蝶に目が翻弄され構図が決まりませんでした。動きを入れる難しさを感じています。」
コンテストに出しておられるだけあって、お上手です。(岡田のコメント)
【コスモスの蜜を吸うアカタテハ」
【彼岸花にやってきたクロアゲハ、万博記念公園で】
●9月28日(木)彼岸花
昨日、彼岸花(マンジュシャゲ)の撮影にでかけました。ところが、ニコンD70のメモリーを入れ忘れ、簡易カメラでしか撮れませんでした。
NHKのラジオ朝いちばんの奈良からの報告で「仏隆寺〜本薬師寺(もとやくしじ)〜石舞台古墳」の真っ赤な彼岸花が黄金の稲穂、ホテイアオイ(本薬師寺で)とのコラボレーションがすばらしいと話されたのを聞いて出かけました。開花後、若干、遅かったですが、それでも充分、満喫できました。とくに、ホテイアオイの群生は初めてでしたが、圧巻でした。
飛鳥路の風景を楽しんでください。
【仏隆寺で】
【本薬師寺のホテイアオイと彼岸花】 【ホテイアオイ】
【石舞台古墳で】 【古墳の周囲に咲く白い彼岸花】
●9月27日(水)庭のハナミズキの木に飛来した野鳥(ヒヨドリ)
※【訂正】以前はツグミ?と書いていましたが、友人からヒヨドリの指摘を受けました。(ヒヨドリはベッカム張りの頭で毛が立っているものだと思っておりましたので、間違えました。お詫びして訂正します)
●9月26日(火)東京から定年前の友人が来阪、仲間と一献傾けた。
この日の午後、「大阪経済・労働白書」の説明を聞いた。これは大阪府立産業開発研究所がまとめたもので、その中の「躍動するアジアとともに発展する大阪経済」について話されました。大阪の企業もアジアに傾斜していることを指摘されました。
●9月25日(月)友人の堀氏から秋の第一便(コスモス)が届きました。
●9月24日(日)希来里PCクラブの勉強会でした。メモ帳でHP作成を習いました。メモ帳の場合、HT
ML言語を使いますが、慣れると簡単だと言います。私はビルダー9で作成していますので、これからも当分、これを使うつもりです。
●9月23日(土)息子夫婦のペット犬(パピオン)を無事に返した。久しぶりに京都に出かけた。円山公園から三寧坂を散策。
●9月22日(金)季刊誌の編集作業、佳境に達する。
●9月21日(木)加古川の医師会に取材
●9月20日(水)気晴らしに奈良公園に出かけた。
●9月19日(火)昨日は久しぶりに生駒山(649m)に登った。往復3時間かかった。
●9月18日(月)御菓子処 亀屋からの礼状
今夏、宮島からの帰り広島で土産を買った。もみじまんじゅうだけが目に付くので友人に「ほかに広島の御菓子はないの?」と聞いたところ亀屋の「川通り餅」を教えてもらった。駅近くの百貨店で買った。
帰宅後、箱を開けると餅の袋をホッチキスでとめてあった。これではせっかくの御菓子が興ざめの上、安全性でも疑問を感じたので、「ほかのもので包装を検討されたらいかがでしょうか」と、御菓子の感想と包装の再考を書いて送りました。
忘れていましたら、本日、宅急便でお菓子に手紙を添えて送られてきました。
お礼の言葉の後、「ホッチキスの件、以前より気になっておりました点でございます。このホッチキスにより、竹の皮の形(餅を竹の皮で包んでいる)の固定とリボンの固定の役割を持っております。いろいろ探しておりますが、これ以上のものが見つからないのが現状でございます。以前は、足の短い針を使用しておりましたが、これではきっちり固定することが出来ず、中途半端に止まった針で手をさしてしまうことがあり、足の長い針を現在は使用いたしております。本物の竹皮を使用しておりますための課題でございますが、これからも安全なものを探してまいりたいと存じます。ご指摘誠にありがとうございました」
達筆の字で、便箋3枚にわたって書かれていました。お客の声に真摯に応えられる亀屋の菓子づくりにかける情熱が伝わってきました。
皆様の中でアイディアがありましたら、教えてあげてください。
●9月17日(日) 興味深いメール
元外交官の七尾 清彦氏からメールが送られてきました。興味深い内容ですので転載しました。、みなさまのご意見をお聞かせください。
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皆様、お変わりありませんか。ご無沙汰です。
台風を前に空はどんより、琵琶湖の湖面は鉛色に静まっています。
世上では安倍政権誕生確実との事ですが、改革よりも増税でしのごうとする方や、内外政ともネオコン的保守でお山の大将気取りの人よりも、害がより少ないだろうと見ています。皆様はいかがお考えでしょうか。
参院選を展望するとき、外政では鷹の安倍に対し鳩の小沢、内政ではどっちつかずの安倍に対し自由競争や改革徹底の小沢と、勝手な見立てをしていますが、ハテサテどうなりますことやら。
イラクや中東での連日の破壊・殺傷事件について、私の考えを拙文に取りまとめました。お目汚しまでに。
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テロか、レジスタンスか ? 2006.9.17
七尾清彦 記
1.テロとレジスタンスは紙一重
冷戦も終わりばら色の時代が到来するかと思いきや、メディアは毎日のように世界各地でのテロ事件の発生を伝えている。カラスの鳴かぬ日はあってもテロの無い日は無いといってもいいくらいである。
もとよりテロは21世紀だけの現象ではない。古くはローマ帝国に対する辺境部族の反乱、フランス革命後のジャコバン党の恐怖政治、20世紀初頭の赤色・白色テロなども、攻撃を受ける側からはテロと呼ばれた。「テロ」という言葉には、米国軍部が調べたところでは優に100を越す定義があるという。しかし定義にこだわっていては先に進めない。
要はこの言葉を耳にした瞬間、誰もが抱くイメージが一番大事である。「テロ」という言葉を聞けば誰でも「忌まわしい犯罪」だというイメージをいだく。誰かがこれを撲滅するのだといえば反対することは大変むつかしい。
しかし歴史をちょっとでも紐解けば誰でも判るように、立場によってテロリストなのかレジスタンスなのかが分かれる事例が山とある。フランス革命でのジャコバン党員やロシア共産革命での革命分子は、滅び行く王朝の立場から見れば反逆者でありテロリストだった。勝てば官軍、革命が成功すればみんな英雄視される。明治の元勲も、当時の幕府側から見ればれっきとした反逆者だった。米国初代大統領ワシントンも、当時の宗主国英国から見れば反乱集団の棟梁だったのである。
私はここでひとつの問題提起をいたしたい。連日、世界各地で起きている「いわゆる」テロ事件の数々は、犯罪として糾弾すべきテロなのか、それともそれなりに理屈のある抵抗運動(レジスタンス)なのか、ということである。オーム地下鉄サリン事件のような突発的で永続性の無いものはここでは視野の外に置くとして、今日伝えられる世界各地の破壊・暴力活動の多くはなにがしかの主張と組織と永続性をもって行なわれている。一般大衆の理解と支援なくしてこのような永続性をもった活動を続けることはむつかしい。
学生時代に習った憲法の講義では、悪政に向かって立ち上がる人間の抵抗権は譲ることのできない自然法上の権利である、ということであった。理屈は憲法学の教授が言うとおりであっても、現実には力と力の衝突という要素があり、紛争当事者のどちらが正義かという問題は、当事者の勝敗が決まるまでは曇りガラスの向こうに隠れたままである。
2.ブッシュ政権はテロと一点張り
9.11事件への咄嗟の米国社会の反応は「何というおぞましい犯罪か。これはテロだ。犯人を捕らえ正義のもとに報復・断罪すべし」というものであった。これ自体は反射的反応であり、至極当然のことだったと思う。ただ事件後すでに5年も経ち事の次第と背景がかなり見えてきている。にもかかわらず、これほどに複雑で多面的な事象を「テロ」という一語で依然、片付け続けているところに、米国のナイーヴさ、さもなくば大衆の支持を維持せんがための一定の政策意図があると言わざるを得ない。
ここで問われているのは、9.11やその後の諸事件が「テロ」なのか、それとも「抵抗運動」なのかということではない。これに答えようとすれば、立場によって答えが鋭く対立し万年論争になるだけである。歴史学者が後代、答えるべき問題であろう。今、問題とすべきは、米政府が事件当初の感情高ぶる時期はともかく、以来5年にもなるのにまだ9.11を「テロ」と単純に呼び続け、「反米抵抗運動」の側面に目をそむけている点である。メディアによる「テロ」という用語の洪水のような流布のお陰で、われわれは知らず知らずのうちに、事態の本当の実像に対し目隠しされているとも言える。
(わたしは、ナチスのもとでの第三帝国や当時の日本帝国が行なったことを正当化する積りは無いが、それらを全て人類に対する「犯罪」と一方的に決め付け、力を背景に断罪し、米国自らは正義の使者として振舞い続けていることに対しては重要な留保を有している。米国社会のこのような伝統的特質と最近のアラブ世界との対立は無関係ではないと思うが、本稿の主題ではないのでここでは深入りはしない。)
3.受け売りのメディア
ご承知のように、世界の情報社会は米国の資本・技術の圧倒的な支配下にある。米国のCNNやヤフーが流すニュースは世界を瞬時に覆う。米国政府が、9・11やその後の諸事件を「テロ」であり犯罪者だといい続けていることを受け、米国や各国のメディアは、用語や規定の当否をチェックすることなく、判で押したように「テロ」という用語を鵜呑みで受け入れて報道し、偏ったイメージを撒き散らしているの
である。
メディアからの情報の受け手であるわれわれ一人一人は、これは「テロ」であり「犯罪」だと連日、報道で繰り返されれば、自然と「アラブ過激派の連中はけしからん、やっつけるのは正しい」という気持ちになりがちなのである。アフガンニスタンではビンラディンを隠しているとしてタリバン勢力に対して、イラクでは同国が秘密裏に核開発をしているとして、かつ、アルカイダとも連携しているとしてフセイン政権に対して、国連も認めない軍事攻撃をブッシュ政権は一方的に起こし、われわれ日本はこれに協力させられてきた。
もし日本のメディアが「アフガンやイラクで起きていることは、テロなのか抵抗運動なのか簡単には決め付けられない、慎重に分析し判断するべきである」との論調を維持していたとしたら、日本国民や政府の対応は独・仏同様、相当違ったものになっていたはずである。
4.安倍政権が為すべきこと
今なお、テロと言い続ける米国政府とは裏腹に、事態は反米レジスタンスの色合いを益々強めつつあるというのが現実である。このあたりに着目することが、どうやらこの根深い問題を解く鍵であるように思えてならない。私は自衛隊のイラク派兵に当時、強く反対した。小泉政権下で起きてしまったことは日本の戦後憲政史上の最大の汚点として記録されるほか無いが、大事なのは今後、日本がどうするかである。
時、あたかも自民党政権の首班交代が日程に上ってきている。ブッシュ政権は中間選挙での苦戦が伝えられ、大統領自身あと一年余の任期を残すにすぎない。米議会は選挙戦術もあろうが、イラクとアルカイダの連携を立証することはできないとの報告書を最近出した。米国社会の中にも、イラク戦を出口の無い泥沼と危惧する意見が勢いを得てきている。
アフガンやイラクでの戦争により、米国は全アラブ世界を敵に回してしまった。その後、燎原の火のように世界に広まっている破壊・殺傷事件は、このような政治情勢の変化を背景としている。「アラブ世界 対 米国ネオコン」の対立を一日も早く鎮めていくためには、米政府や米国社会を説得し、テロなのか、レジスタンスなのかは簡単には決め付けられないのだ、という複眼的思考へと仕向けていくほか無い。
後継首相に確実視される安倍晋三議員は、世界に対し日本として言うべきは言うと高言している。外政面で彼が就任後まずなすべきことのひとつは、このことについて相手の面子をつぶさぬ形で静かに伝え、この複眼的思考が理解されないのであれば、これまでのようには日本は協力いたしかねるとはっきり釘を指すことである。9・11以来テロだと言い続けて来たブッシュ政権の耳には痛い話であろうが、外交では相手が聞き入れなくても言うべきことは言っておくことが、明日の日の為に大事なのである。
(了)
七尾さま
このたび、メールを拝読させていただきました。私は政治や外交にはまったくの門外漢で、よく分かりませんが、七尾さまの安倍政権誕生後の政策や9.11やその後の諸事件がテロかレジスタンスかのご指摘も、なるほどと思いました。
私の庶民感覚で安倍政権誕生で一番、懸念していることは憲法改正です。その狙いが国民皆兵制度導入や軍需産業を潤す、あるいはその方向に向うことだけはないことを祈りたい。
私の友人で現在、林原(岡山)で定年後も嘱託で働いているモハメッド・ライース氏(パキスタン人)に執筆してもらった原稿(『Brain Trust』春号掲載)をご参考になるかどうか、分かりませんが、送ります。
●日本人へ直言・曲言
風刺漫画とマスコミ報道
モハマッド ライース
今回、長期の海外出張で、原稿締め切りを気にしながら日本に戻って慌てパソコンに向かった。ちょうどその時、「野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が初代王者に輝いた」とのニュースがテレビで流れて思わず野球好きな友達に電話をかけて長々と話してしまった。
スポーツのフェア精神とマスコミの真実を伝える精神は同じであるはず
私はスポーツが好きで、「どんなことがあってもスポーツはフェアでなければならない」と固く信じている。「スポーツ精神は相手が勝ってもその勝利を心から祝福できることが、そのスポーツを本当に好きである証拠であると同時に、自分に対する一つの挑戦でもある」とパキスタンの高校でホッケーのコーチから教わった。
ただ今回、ゲーム前にアメリカの国歌だけが演奏されたことや、審判の数度にわたる偏った判断ミスや、世界的イベントにも関わらず高額の報道料を要求しただけでなく、日本が勝った時、米国でこのニュースを殆ど取り上げなかったことなど、アメリカで生まれたスポーツだけに、大国として相応しくない行動がとられたことに対して遺憾と思ったのは私だけではあるまい。
さらにもっと残念と思ったのは隣国で日本勝利に対するマスコミの扱いである。大国も、そうでない国もスポーツの世界でさえフェアになれないなら、他のもっともっと大事なことに対してフェアになれるかどうかはなはだ疑問である。本当は隣国にとって日本との緊張関係をほぐすためには、これが絶好のチャンスであったと私は思う。
極端な話しだが、このニュースをナショナリズムの仕業として片付けてしまうことも十分に可能だが、マスコミだけは絶対にその色に染まってはならない。マスコミは歴史の証人であるがゆえに、絶対に忠実に世の中に真実を知らせ、人々を正しい方向に導くものであることはいうまでもない。又、マスコミは意図的に真実を曲げたり、隠したり、挑発するようなものをわざと掲載したりしては絶対いけない。どんな場面でも、権力に屈せず両側の意見や情報を掲載し、放映することはマスコミの義務である。そうでないと“プロパガンダ(宣伝)”になってしまう。
風刺漫画は言論の自由か挑発か?
去年、デンマークの「ユランズ・ポステン」誌で掲載されたイスラームの預言者ムハンマッドに関する風刺かつ冒涜的な漫画が記憶に新しい。これらの漫画が火種となりイスラーム世界に旋風を巻き起こした。インドネシアや中東諸国では、デンマークをはじめ漫画を転載した欧州諸国の外交施設が襲撃され放火されただけでなく、その国々の国旗が路上で焼かれ、デンマーク製品は不買運動にさらされた。そしてデモ隊が乱入した大使館などは破壊された上、死傷者まで出た。イラク戦争で「反米」に傾いたイスラーム国の大衆心理は、この騒ぎで「反米欧」に拡大した。イスラーム諸国では米欧に対し、米欧ではムスリム達(イスラーム教徒)に対する不安や反感が強まった。
掲載された漫画は「言論の自由」のテストだと言われているが、漫画を見れば間違いなく挑発することが風刺の目的であったとすぐ分かる。ムスリム達が自分の親よりも尊敬し、子供よりも愛している預言者ムハンマドを犯罪者、自爆テロと結びつけようとしている。ムスリムの一番怒りの対象になったのは、点火された爆弾付きのターバンをまいたムハンマドで、これは自爆テロの風刺である。
アメリカ、ヨーロッパそして日本の友達から「確かに漫画はよくないが、これに対してムスリム達の暴力的な行動は行き過ぎだ」との意見を耳にした。それには私も同感だ。
イスラーム世界では、印刷物であれ、私信であれ、あるいは口頭で言うときであれ、預言者ムハンマドの名の場合、そのあとに「神のご平安がありますように」(Peace be upon him―PBUH)と必ず付け加える。それと同時に私達ムスリムは預言者ムハンマッドだけではなく、イエス・キリストやモーゼやアブラハームなどの預言者達をも信じており、大変尊敬している。イスラームではそれらの預言者達を偶像化したり、茶化したり、そしてその名を貶しめたりすることは罪とされている。今回風刺漫画掲載で傷ついたムスリム達からいかに非難され、攻撃、追及されても仕方がない。しかし、それはあくまで「侵略的であってはならない。アッラーは絶対に,侵略者を愛さない。(聖クルアン第二章一九〇節)」。
ただ、人の宗教や信仰を尊重するのは人間として基本中の基本であるということは、自分で文明国と名乗っている欧米諸国の人々にどういうふうに教示すればよいのか困ってしまう。それだけでなく、意図的に災いの元をつくり、憎しみを広げ、植民地化時代の“分割して統治する”政策つまり、今の発展途上国の資源も人々の命も自由も昔と変らず,未だに全部彼らのものであるという同じような事が続けられていることを確信せざるを得ない。
風刺漫画の背景と真相
ここで日本で余り報道されなかったことを少し記載してみたい。アメリカの有名政治ニュースレターCounterpunchにJohn Sugg氏(デンマーク出身)が今年二月中旬ごろ掲載した記事によると「預言者ムハンマッドに関する風刺漫画を掲載したデンマークの「ユランズ・ポステン」誌のフレミング・ローズ文化編集長は、アメリカの中東専門家の中で強烈な親イスラエルの代表的なネオコンのダニエル・パイプス氏と親しい仲であり、ローズ氏が二〇〇四年にアメリカを訪問した際に漫画の件が計画されたと言われている。尚、パイプス氏は大のイスラーム嫌いで、パレスチナ人の軍事的完全抹殺を望み、彼のイスラーム恐怖症ぶりの度合はイランのアフマディネジャド大統領の自分のスピーチに故アヤトラホメイニ氏のイスラエルを地図から抹消する内容の言葉の引用や「ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)」を否定したこと等以上のものだといわれている。同じ記事で氏はこの漫画の出来事についてワシントンポストの記事にも触れ「これはイスラーム教少数派民族に対する偏見が頻繁に認知されていないにもかかわらず、大きな問題になっている国 (デンマーク)において、ある右派新聞による.計画的な侮辱である」と報じたと書いた。
デンマークのアナス・フォー・ラスムセン首相は発言の自由を一生懸命に唱えたが、首相はヨーロッパの中でもアメリカのブッシュ大統領の大のファンである。発言の自由ということになると、今年二月初旬にイギリスの新聞が報じたのはローズ氏の新聞が二〇〇三年にイエス・キリストに対する同じような茶化した漫画を掲載することをはっきりと断った事実があるということだ。発言の自由はヨーロッパやほかの民衆主義の国々においても相対的なもので、絶対触れてはいけないものに対しては法律以上のものでさえあるはずだ。AP 通信のインタービューの質問「もしあなたが漫画掲載後これだけ抗議が続くと知っていたら、それでも掲載しただろうか」の問いに対してローズ氏の返事が面白い。「いや、私はこの漫画の掲載で後悔はしていない。この質問はレープされた被害者に彼女は金曜日の夜にミニを履いてディスコへ行ったことを後悔しているかを聞くようなものだ」と。
これは明らかに被害者の女性のほうに責任をなすりつけていて、この論法だと、宗教の根幹を揺るがすどんな侮辱を受けてもムスリム達はそれに逆らわず無抵抗で受け入れるべきだということになってしまう。
ここで明らかなのは「この風刺漫画に対する反応は余りにも異常なものであったか?」「全くだ」、「予期できたか」、「全くだ」ということである。さらに「アラブ、イスラーム世界の怒りを意図的に煽る計画で、結果的にイスラーム世界に対する西側諸国のむかつくほどの嫌悪な気持ちを作り上げる目的であったか?」それはローズ氏とパイプス氏の関与で間違いなく計算通りにこれが実現できたといっても疑う余地はない。
日本のマスコミにお願い
日本のマスコミにおいて欧米諸国のマスメディアの報道をそのまま鵜呑みにし、掲載する節があり、国際問題の真相をあまり勉強したり、追究したりしない風潮がある。特にイスラームのことになるとマスコミだけでなく、相当な日本の知識人でさえ、西洋のメガネでしかモノをみたり、判断したりしていない。
東京大学の名誉教授でイスラーム研究において世界的に知られている板垣雄三先生が著書『イスラーム誤認、衝突から対話へ』(岩波書店)の四二ページに“日本社会の転回点は中東の事件からとの項目”の中で下記のことを記載している。
「イスラームに関しては、知的エリートと自認する人ほど、救いがたく偏見に冒(おか)されていて無知であり、逆に自分の無知を誇ってさえいる。それが“知的誠実さ”の証(あか)しだといわんばかりである。欧米のことなら分かるが、イスラームのことは知らないという気持ちなのだろうが、本当はイスラームを抜きにして欧米は理解できないはずである」。
私はここで申しあげたいのは、イスラームについて欧米諸国のメガネを通して見ようとしても、本当のことは分からない。最近はイスラームの数々の悪口にテロという大変残酷な濡れ絹が着せられた。欧米諸国のマスコミは真相を伝える代わりに逆のポーズを取り、むしろそれを煽っているような態度を示している。これからも日本のマスコミが欧米諸国のマスメディアの報道を調べもしないで、そのまま鵜呑みにして、報道し続けるのか、真剣に考えて欲しい。是非とも物事の真相を追求して公平に第三世界の情報も伝えて欲しいと願いたい。
●9月16日(土)TVで「電車男」を観た。今の若者の感じが分かった気がした。
●9月15日(金)1日中、執筆
●9月14日(木)知人の山見博康さんの近著『山見式PR法』(翔泳社発行)が送られてきました。広報に関する4冊目の本で、今回は、24社の具体的事例と10メディアコメントに基づいた判りやすい実践書です。特に中小・ベンチャー企業の経営者に格好の本です。ぜひ、購読されることをお奨めします。
山見さんとご連絡を取りたい方はご一報ください。ご紹介いたします。
山見博康(やまみ・ひろやす)の略暦
山見インテグレーター(株)代表取締役、バリューインテグレーター
1945年福岡県生,68年九州大学経済学部卒業。同年(株)神戸製鋼所に入社
91年広報部長、ドイツ・デユッセルドルフ事務所長(日欧マスコミも担当)を経て、97年スーパーカー商業化ベンチャー企業および経営コンサルティング会社に出向。中小企業経営を学んだ後、02年独立。
●9月13日(水)預かっていた犬(パピオン)がちょとした油断から行方不明。捜索で初老夫婦はふらふら。近所の方もオートバイで探してくれる。諦めていた時、庭の木の陰で見えなかったが、下の家の庭に放されている犬を静座してじっと眺めていたパピオンの尾っぽが目に入った。 安堵した。犬を預かるのも大変だ。